歌の腹式呼吸のやり方|できているかの確認方法とやりすぎの注意

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ボイトレでほぼ最初に出てくるのが腹式呼吸です。ただ「お腹を膨らませる」とだけ覚えると、力んで逆効果になることがあります。ここでは目的から順に整理します。

腹式呼吸が歌で必要な理由

歌で必要なのは、息をたくさん吸うことではなく、一定の量を安定して吐き続けられることです。胸だけで呼吸すると肩や喉まわりに力が入りやすく、息の出方が不安定になります。横隔膜を使うと、喉から離れた場所で息をコントロールできるので、声が揺れにくくなります。

できているかを確認する方法

  • 仰向けで寝る:脱力した状態だと自然に腹式になる。そのときのお腹の動きを覚える
  • お腹と胸に手を当てる:吸ったときにお腹が先に動き、胸はあまり動かなければOK
  • 肩が上がらないか見る:肩が上がるなら胸式が優位になっている

寝た状態でできるなら、能力の問題ではなく、立つと力が入ってしまうだけです。

歌に使うときの手順

  • 1. 吐き切る:吸うことより先に、残っている息を出す
  • 2. 力を抜いて入れる:吐き切れば、意識しなくても自然に入ってくる
  • 3. 細く長く吐く:10秒、15秒と、同じ強さで吐けるか確かめる
  • 4. 声を乗せる:同じ吐き方のまま、小さい音で声にする

やりすぎると逆効果になる

お腹を張ることに集中しすぎると、腹筋が固まって息の量を調節できなくなります。目的は「膨らませる」ことではなく「安定して吐く」ことなので、吐いている間もお腹は少しずつ動いて構いません。常に腹式を意識し続ける必要もなく、歌っているときに自然にそうなっていれば十分です。

よくある勘違い

  • 息をたくさん吸うほど長く歌える → 吸いすぎると力みます。吐き方の問題です
  • お腹を固めるのが正解 → 固めると調節できません
  • 日常でも常に腹式にすべき → 歌うときに使えれば十分です

立った状態で腹式にするコツ

寝るとできるのに立つとできない人は、上半身に力が入っています。壁に背中とお尻をつけて立ち、肩の力を抜いた状態で息を吸うと、胸が動きにくくなるぶんお腹に入りやすくなります。この姿勢で感覚を覚えてから、壁を離れて同じ状態を作ります。

歌いながら息が続かないとき

息が続かないのは、吸う量が足りないのではなく、吐く量が多すぎることがほとんどです。フレーズの最初で一気に吐いてしまい、後半で足りなくなる形です。試しに、同じフレーズを半分の音量で歌ってみてください。それで最後まで届くなら、量の問題ではなく配分の問題です。

息継ぎの場所を決めておく

  • 歌詞を文章として読み、意味の切れ目に印をつける
  • その位置で息を吸えるか、実際に歌って確かめる
  • 足りなければ、フレーズの途中でも短く吸う場所を足す
  • 毎回同じ場所で吸えるようになるまで繰り返す

行き当たりばったりで吸っていると、毎回違う場所で苦しくなります。決めてしまえば、そのぶん歌に集中できます。

腹式呼吸だけでは声は良くならない

腹式呼吸は土台であって、それ自体が声を良くするわけではありません。息が安定しても、声帯の使い方や響かせ方が変わらなければ、聞こえ方は大きくは変わらないのが実際のところです。「腹式呼吸ができれば歌が上手くなる」という説明を見かけますが、正確には「腹式呼吸ができていないと、その先の練習の効果が出にくい」という順序です。

だからこそ、腹式呼吸の練習だけを何か月も続けるのは効率が良くありません。基本の感覚をつかんだら、実際に歌いながら使う段階に進んでください。歌の中で自然に使えることがゴールで、練習のための練習にしないことが大事です。

うまくいかないときのチェックリスト

  • 肩や首に力が入っていないか(鏡で確認する)
  • 吸うときに音がしていないか(音がするのは急ぎすぎのサイン)
  • 吐くときにお腹が固まっていないか(少しずつ動いてよい)
  • 姿勢が前かがみになっていないか(お腹が潰れて入らない)
  • 吸う時間が短すぎないか(慌てて吸うと胸式に戻る)

よくある質問

腹式呼吸ができているか自分で判断できますか?

仰向けで寝てお腹が動くか、立ったときに肩が上がらないかで、ある程度は判断できます。

練習はどれくらいやればいいですか?

1回数分を毎日のほうが向いています。長時間やると力みが固定されやすくなります。

腹式呼吸ができれば高い声も出ますか?

息の安定は土台になりますが、音域そのものは声帯の使い方の話です。別々に取り組む必要があります。

胸式呼吸は悪いものですか?

悪いものではありません。日常の呼吸は胸式が中心です。歌で使い分けられることが目的です。

まとめ

  • 目的は「たくさん吸う」ではなく「安定して吐く」こと
  • 仰向けで寝れば自然に腹式になる。そこで感覚を覚える
  • 吸うより先に吐き切ると、力まずに入ってくる
  • お腹を固めると調節できなくなるので、張りすぎない

呼吸が安定してくると、音程も取りやすくなります。音程そのものが不安な場合は音痴は治る?もどうぞ。

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